夢の中でカマキリが示すもの。
不幸、攻撃性、煩わしい問題、貪欲、ライバル、不道徳な考えなど。
どの夢占いサイトにもカマキリ自体が示すものは一緒だった。
あとはそのカマキリをどうしたか、どうなったか。その結果によって予知夢やら警告夢やらを示したり。
夏みたいな暑い日差しだった。
前日か寝る直前まで近所にカットしたカボチャを配るという謎の任務をしていた。RAに乗ってた。カットしたカボチャは近所に配るには1世帯3切れ程しかなく、あまりにもだったため配りたくなかったが、断れない何者かからの命令により渋々配り歩いていた。
やっぱりわたしは今の自分の家を気にいってるのかベッドで昼過ぎまで眠っていた。夢の中でも目覚めたくなくて粘っていたら、明らかにあの黒い物体がいた。流石に飛び起きて、玄関にある使ってないジェットなる殺虫剤の包装をメリメリ破き、部屋に戻った。いない。
その瞬間視覚の端に黒い物体を捉え無我夢中でそいつに吹きかけた。
俺はちがうよ!声が聞こえた。
弱りかけたそいつはわたしが最初に見た黒い物体ではなかった。カマキリだった。
あ、ゴメン。。。
そう言って窓を開けると部屋の外に出たのにずっと網戸に張り付いていた。しかも窓と網戸の隙間に入ろうとしていたので、「挟まるよ」とそのカマキリに声をかけた。最近わたしは親指を挟んでひどい目にあったばかりだ。可哀想なので窓をずらすとわざと隙間に入ってくる。挙げ句の果てにずらしてやって空いた隙間からウチの中に二匹の蚊を放ってり嫌がらせまでしてきた。カマキリは楽しそうだった。
『黒い物体、"ミハル"はまだお前の部屋のどこかにいるよ、◯◯(本名)』カマキリは言った。
やっぱりわたしが最初に見たのは君じゃなかったんだね。そのあともカボチャの話を聞かれてもいないのに愚痴ったりしていた。
「ところで君の名前はなんていうの?」
わたしの名前を知っていたのと、話を聞いてくれることへの親近感でわたしも彼の名前を知りたくなった。
『言わないよ』
彼はニヤリと笑った。気がした。だってカマキリの表情なんてわからないから。
「そうなんだ。」
『どうして知りたいの?俺のこと好きになった?』
ああ、そうなんだ。わたしって優しくされれば、相手にしてもらえればカマキリでも好きになるんだ。なんか変に納得した。と同時になんかそんな自分に悲しくなって、窓を離れた。
なのに、彼はいた。
いつもの見慣れた部屋にもう一つ畳の部屋があった。奥に目をやると、畳の真ん中に布団があって、彼がいた。でも彼はカマキリではなかった。細身に余らせたみたいなゆるっとしたカーキ色っぽい服にまる眼鏡をしていて、ノッポさんみたいな形で縞模様の胡散臭い帽子をかぶっていた。でもあのニヤニヤした感じが絶対あのカマキリだった。今考えるとカーキ色もカマキリ感じだったのかな笑。
『ほら、これから歯医者行くんだろ?シャワー浴びてる間に布団あっためておいてやるから』
歯医者は今日の本当の予定だ。いやいや、予定あることを知っていて二度寝させる気かコイツ…。でもなぜか、「うん…」と言ってる自分がいてやっぱコイツ(自分)アホだなと思った。
そのあと続きで歯医者じゃなく農業体験しに行くのに遅刻しそうで同期の彼氏が運転する車に同期の計らいで乗せてもらった話に繋がっていた。彼女に連絡しなきゃ、「返信してなくてごめんね、行きたい気持ちはほんとなんだ、ごめんね」。うん、それはほんと。『知ってる、大丈夫だよ』と笑ってくれた。いつも周りの人間に甘えてるなわたしは。。。ゴメンね、、、。
で、結局、
カマキリの夢
カマキリと"ミハル"が出てくる夢
知らない異性が出てくる夢
カマキリを逃す夢
カマキリを追い払う夢
どれも合いそうだけど
『"ミハル"だと思って殺しかけたカマキリを逃してあげたと思ったら、仲良く(一方的にこちらが打ち解けて)人間の異性になった』夢
の答えはなかった。
13時間近く眠って目覚めた部屋は夢の中の様子と散らかり加減とか全く一緒だったけど、カマキリはいなかった。またひとりだった。
でも。
今日は動けそうな気がする。
"ミハル"は本当に怖いので歯医者から帰ったらまずは部屋の掃除から始めようか。