不器用リカコの書きたい人生

20代リカコが書きたいことを書きたいままに書くだけのブログです。

『いや、知ってるかもだけどさ、俺、Yと付き合ってて…』

 

(は?)

 

「え、知らないです…」

 

『言ってなかったっけ?』

 

「言ってません…え、は?わたし、Yさんの後輩になるんですよ、え、最悪なんですけど、え、知ってましたよね、わたしがずっと好きだったこと…」

 

『・・・言ってなかったっけ?』

 

聞いてねえよ、都合悪いことは飲みすぎて忘れたことにしてるくせに、わたしの記憶捏造しようとするな。わたしは全部覚えてる。

 

そして、わたしは異動先でYさんの後輩になるのだ。

一年前、2人の空気感に嫉妬したことを思い出した。

同じ部署になると知ったとき、その空気感を思い出して、Yさんが美人で、仕事ができて、優しくて、そんなひとつ上の先輩と同じ部署になったら常に比較される、わたしの"好きな"先輩云々の前にそんな複雑な気持ちと闘っている真っ最中だったのだ。

 

悔しさと怒りが爆発した。

 

怒りは6秒我慢できれば耐えられる、的な話を聞いたことがあるけれど、この時6秒我慢できれば鎮まっていたのだろうか?

 

「まただ。。。またですよ。彼女いましたって、なに。え。わたしのこと好きじゃないのは知ってましたよ、でもわたしが先輩のこと好きっていうのは知ってましたよね?」

 

『うん…ごめん』

 

「まただよ。なんでいつもわたしだけ黙らされるんですか?子供欲しいとか言って彼女もいるのに寝るだけ寝て、あとで女の方に嫌悪の目を向けられる。遠距離で彼女いるのにヤったあと彼女にバレたことをわたしに押し付けてくる。いや、知らねーよそっちの問題だろ?(この2人は別に好きでもない詫びセックスだったので傷ついたりしてないけど彼女の問題を彼女がいて幸せなそちら側の人間がこっちに押し付けてくることが許せなかった、だけだけど)大学の時の人も、2年、(そう先輩と同じ)2年好きだったのに最後の最後に実はまだ彼女と付き合っててって、え、なに?なんでわたしはこうなんですか?ねえ、なんでですか?いっつもそう、いっつもそう!!!いっつもわたしにだけ黙ってろってみんな言う!」

 

『申し訳ない…』

 

「しかもYさんて…。無理。最悪。わたし後輩になるんですよ…。は、え、ほんと無理。最悪最悪最悪。はは。こんなこと言って、だからわたしじゃなかったんだって感じですよね。念押しで嫌われにいってますよねわたし。はは、最悪だ。そりゃYさんは可愛くて美人で仕事ができて頭が良くて、は、そりゃ一個も勝てませんわ。わたしはこんなこと言ってるんですもんね。ウケる、めちゃ引いてますね、嫌われにいってますよねわたし」

 

『いや、それは本当にない…』

 

「いいですよ、本当のことですから。最悪だ。いっつもだ、まただ。みんな死ね。そりゃ、黙ってろって言われたら黙りますよ、好きだから。言いませんよ、だってわたしはあなたたちと違って真面目だから!約束は守るから!!!」

 

『いや、リカコは話す権利あるよ、うん、黙る必要ないよ…』

 

「わかってます、彼女がいる人とヤるのが悪いことって。頭ではわかってます。でもわかんない。大切にされたことないから。罪の意識が湧かない。だってそっち側に行ったとこないから。いつもわたしは卑下される側だから。それなのにこっちに押し付けないで。あなたたちは大切な人がいるのになんでわたしの方が傷つけられなきゃいけないの?みんなクソ。この世の大半はクソ。みんな死ね、みんな死ね!!!」

 

サラリーマンがこちらをちらりと見た。

 

『話そう、一回話そう』

 

『不誠実でごめん』

 

(俺クズだから、あなたもそう言ってましたね)

 

「まあまだ先輩は誠実なほうだと思いますけどね、だって、価値のないわたしのこんなクソみたいな話黙って聞いてくれてるし。まあ黙って聞くしかないか、言うことないですもんね。みんな自分が傷つかないようにするのにわたしが傷つくのはどうでも良いと思っている。わたし、傷ついてますから。あなたが言うなって言うなら言いませんけど、傷ついてますから。みんな死ねよ、はは、死んだほうがいいのはわたしですか?ええ、そうですね。死んでやる。全員の名前書いて死んでやりますよ笑」

 

「はは。Yさんはいいなあ。可愛くて美人で頭が良くて仕事ができて、おまけに好きな人から好きって言ってもらえて、羨ましい。。わたしには何もない。なんの価値もない。顔もダメで仕事もダメで全て持ってる人に一個も勝てない。」

 

『いや、それはお前自分を卑下しすぎ…』

 

「来世は人間辞めたい。もう無理。いっつもこう。もう無理、、」

 

記憶で書いてるので前後してますがまあ大体

「いつもわたしだけ黙らされる」

「わたしはあなたたちと違って真面目だから黙るし約束は守る」

「死ね、みんな死ね」

「死んでやる、名前を書いて死んでやる」

「まただ。」

これは確実に言ってましたね、そしてしきり繰り返してた。

 

駅へのエスカレーター前。

彼は立ち止まる。

 

『一回話そう。話したく、ないかもしれないけど。』

「何を?わたしと話すことあるんですか?遅刻しますよ、引き継ぎ、後輩に迷惑かかります。行くべきです。だって、わたしと話すこと、あるんですか?」

 

彼の袖を掴んでエスカレーターに乗せる。

割とすんなり乗った。

 

(ほら、ないじゃん話すこと。これが答えだ。夢見すぎてた。最悪。惨めだ。)

 

「でもまあ、今日の夜は呼ばれれば行きますよ。わたしはあなたたちと違って真面目なので約束は守りますし。業務としてやります。これとそれは別なので。」

 

『お前…マジで言ってんの?』

 

「はい。わたしは真面目なので。」

 

彼と反対のホームに向かう。

 

「お疲れ様でした。さようなら。」

 

いつもヤッたあとの朝、振り返らずに反対のホームに立ち去っていった彼と逆のことをした。

 

悔しかった。

でも残念ながら人生で2回目の経験。

心にも免疫はできる。

おかしくならなかった。

ただひたすら悔しかった。

 

勝てない…

 

『いや、知ってるかもだけどさ、俺、Yと付き合ってて…』

呼んでもいないのに頭の中で繰り返された。

 

死にたい………惨め過ぎる…

わたしと何回もヤった男と付き合ってる女って見るしかない、もうそれしかない、ツライ…。

 

埃まみれのワンピに黒髪。

 

耐えられない。

 

切ろう。こんな髪、伸ばす意味もない。

邪念だ。

 

M氏に切ってもらわねば。

 

帰宅し、埃まみれのワンピを洗濯に放り込み、埃まみれの髪を洗い、ラジオを聞く。

 

電車に揺られながらYさんの言葉を思い出す。

[同期から色々聞いてるよ〜笑]

 

(わたしの"好きな"先輩は自分の好きな女に、自分のことを好きな女の話を面白おかしく話してくれちゃってたわけですか、そうですか、ふたりでわたしのことバカにしてたんだ、最悪最悪最悪…)

 

悔しくて泣いた。

 

(わたしの仕事取られたらもう終わりだ。わたしのこのクソメンタルが今以上にズタズタにされる。。。終わりだ…)

 

(そうだ。めちゃくちゃ仕事しよう。結果だそう。結果出して過労で倒れよう。そんな奴いたら絶対わたしの"好きな"先輩の耳にまで伝わるよね、だってYさんはわたしの先輩なんだから、はは)

 

(もうそれしかない。この世は残酷だ。結果しかない、結果しかないんだ。欲しかった、わたしだって欲しかった…。仕事まで取らないで。お願いとらないで)

 

(黙ってろ、ってYさんを傷つけたくないからでしょ。わたしは傷ついてもいいのに。それが答えだ。バカみたい。ずっと夢見てバカみたい。)

 

美容院はいつも以上に忙しそうだった。

M氏も忙しそうでわりかしぞんざいに切られてるなあと思った笑

でもプロはすごいね、いつもの丁寧さのかけらもない切り方してたけど綺麗に揃ってたよ笑

 

M氏は『今日はなんで?伸ばしてたのに』

「はは、いつものです笑」

『失恋した?笑』

 

さっきまでの出来事を話す。

 

『え?相手寝てるのにリカコさんが掃除してたの?なんで?てか飲み会あるのわかってて準備しないってそいつが悪いじゃん。忙しいとかじゃなく、そいつが悪いでしょ、なんでやってあげたの?』

「忙しくてかわいそうだなと思って。別にわたし今日休みだしいいかなと思って…」

『いや、それでしょ笑 前もそういう感じの人だったよね?笑』

「う〜ん…」

『黙ってろって、いや、いいっしょ、話す権利あるよ、話しちゃおう!』

『やってあげちゃうの、直そ。それが良くないよ。』

「…話すことないですよね?って言ったらすぐ引き下がったんです。いや、話すことねえのかよって感じ笑」

『話すことねえのかよ笑』

「仕事死ぬほどやって倒れたらその人の耳にも届くかなと思って、仕事死ぬほどやろうかなって。発想がメンヘラサイコパス ですよね笑」

『いや、いいんじゃない?笑』

 

 

泣きながら髪切ってもらったのは初めてです。

25歳女。いつまでも大人になれず。

 

「今日は忙しそうでしたね」

『いやーごめんね。ちょっとは気分転換になった?』

「はい。ありがとうございます。」

 

久しぶりに楽器屋さんの前を通る。

海まで歩こうと思ったけど…

寄ってみる。

(試奏、できるのかな…)

親切な店員さんが楽器を用意してくれて試奏させてもらえた。

久々に吹くユーフォ。

楽器全体が鳴ってる感じが気持ち良い。

音の鳴らし方は衰えてなさそう。ただ、ビブラートと喉の開き方以外、高音もでなければリップスラータンギング指回し、暗譜、音量変える時音程保つこと、全部ダメだったけど笑

 

30分って言ってたけど40分くらい吹かせてもらって、ユーフォ吹いてる間は無心になれた。

やっぱ楽器やろうかな。表現の場は持っておいたほうがいいって昔占い師さんも言ってたしな。まあ今金なさすぎて無理か、。

 

ユーフォのおかげでいつの間にか気持ちが落ち着いていた。

予報外れの雨に打たれながら洗濯の存在が頭をよぎり急いで帰宅。まあ今から帰っても雨降ってたら間に合わないけど笑

 

楽器を眺めている時に思いついた結局自己満足なクソな作戦。

宣戦布告だ。

やってらんないよ。

仕事まで取られたくない。ただでさえ居場所ないのに…。

(わたしは髪を切りました。)

LINEのアイコンを変え、先輩の同期に連絡をする。

先輩たちが今日飲みに行くことを知っていた。

あれ?昨日まで長かったけど、なんかあった?

先輩くん、リカコなんかあったか知ってる?

この流れになれ。

周りから固めろ。多分こういうことに使う考えじゃないけど、ごめんなさいBoss...

 

今日の夜、連絡くるかな。

18時前に家に着いて洗濯を取り込む。

こっちは雨、降らなかったのかな。

 

21時に目覚ましをセットしてわたしは自分のベッドで眠りについた。