不器用リカコの書きたい人生

20代リカコが書きたいことを書きたいままに書くだけのブログです。

『…どうぞ』

 

(???)

(どういうことだ。何故、さも当たり前のようにわたしを招き入れてる?どういうこと???)

 

「終わりました?」

『いや、終わってない。ヤバい…笑』

 

(???なんで普通に会話してんの?え?昨日の壮絶な朝のあれは、え???)

 

「・・・」

「わたしに、何か出来ることありますか?」

(は?いやいやいやいや、お前、ちょ、おま、何言ってんの?え、何しに来たのリカコ!?え、何言ってんの!!?)

 

『靴、しまってくんね?』

「・・・わかりました。」

(は!?何普通に頼んでんの!!??そしてお前は何がわかったの!?ねえ!!!?)

 

「突然来たのに驚かないんですね。」

(そうそう、そうだよね、まずそれだよね。)

『うん、まあ…』

(うん、まあ!?え、わたし来るって思われてたの?舐められたもんですなあ!!!リカコ、言ってやれ!)

「つまんない反応ですね笑 当てつけのように髪まで切ってきたのに」

 

彼はわたしを一瞥して

『ああ。気がつかなかった。』

 

・・・

 

・・・・・

 

答えだ。昨日の夜、撫でてた髪の長さなんて覚えてない。それくらいの女だった。

 

わたしはダンボールにガムテープをして昨日より雑に靴を段ボールに放り込んだ。

それでもわたしは真面目だから。

仕事で使う靴は全部箱に入れてあげた。またあのタバコの入った汚い缶を見つけて辟易した。

結論から言うとこのあと別の場所からもこのクソみたいな物体が出てきて計20本近く、わたしは片付けた。結局あの人一本も片付けなかったな、と今振り返って思う。

 

それにしても…

(昨日までは"好きな"先輩のために頑張ってたけど、今日の、今のこれは、わたしなんで働いてんの?)

 

思いの外早くきた引っ越し業者さんは扉を開けたわたしを見て目を丸くした。

そうだよね、女連れかよ、ってなるよね、終わってないし。。

 

なんか先輩にどう思われようとどうでも良くなったらいつも家でいる時みたいに1人で喋りながら作業し始めた。素のわたしだった。

嫌われたくなくて着飾ってたんだね、お疲れ。

 

結局8時から2時間引越しを手伝った。

昼過ぎには出れば大丈夫と言っていたがその後2時間部屋の掃除を手伝った。

彼の掃除の仕方を見ていて思ったけど、たぶんお坊ちゃんだな。貴族だこの人。と思った。

自分の家で自分が排出した汚れなのに触るのを躊躇うような触り方をしていた。

わたし、他人なんですけど。しかも彼女いるのにセックス普通にできちゃうだけの他人なんですけど、20本。空き缶瓶ペットボトル仕分け200本近く、キッチンの掃除、排水溝に手を突っ込んで綺麗にして、油まみれの換気扇掃除して、トイレの床掃除、、、他人なんですけど。しかももう好きも昇華しきれないところに捨てられた他人なんですけど。

 

『クッサ!マジでそれ臭えな。』

「全部わたしがやってますけどね。」

『いや〜マジでリカコいい人だわ』

「いい人、いい人、、、"都合の"いい人、フフ」

 

もうこっちはこちらのメンヘラを上回るサイコパスぶりに動揺というか、驚きというか、諦めというか、また毒気を抜かれて、ああ、まただ、初回に2時間待たされて激怒してた時も、約束の日に連絡なしでドタキャンされてその後も連絡なかった時も、予定だけ聞かれて前日に予定聞いただけ笑、って返事がきてその日の夜中に呼び出された時も、怒ってたのに会うとこうやって毒気を抜かれる、だからずっと好きだった。客観的に見ると本当におかしな話ですけどね。笑

 

そんなことをぐるぐる考えながら、昨日今日のわたしの働きは、一番最初の出会いのお返しや昨日のことへの償い以上の対価があると思い始め、わたしは最後に先輩からとあるものをもらえるようにお願いしようと思いました。それさえもらえれば十分だ。

 

そしてガスやら電気の電話し忘れていて電話かけたり手続きして眠さのピークを迎えた彼は床で眠った。

出る予定のお昼を過ぎていた。

 

わたし引っ越しの手伝いや掃除をするために来たんじゃない…。

何も話せないのは無理。

こうなったら自腹切ってでも今日着いてってやる。

彼が眠ってる間に交通経路を調べる。

まあお金おろせばなんとかなるでしょ。

 

彼の横顔を見ながら思う。

(そんなにスヤスヤねちゃって、わたしがもっとヤバい奴だったら殺されてるかもよ、先輩…)

 

目が覚めた彼は

残りの荷物をかき集めて

ガムテープの残りをいる?とわたしに手渡してきた。

「いりません。ゴミです。」

『それが俺の気持ちってこと笑』

 

ねえ、聞きたい。わたしも結構非人道的だと思いますけど、ここまで手伝って昨日わたしの涙まで見てこの発言、冗談でも許せませんよね?

 

首に手をかける、もちろん寸止めですけど、凄い勢いで

「殺しますよ?」

彼は戯れるような笑顔でフフっと笑っていた。

 

『飯でも食いに行く?』

「はい、でもその前に…」

 

「わたし、掃除するためにここに来たわけじゃありません。外でこんな話し、したくないのでちょっといいですか?」