別れ
友達の月兎くんが死にました。
この家でひとりぼっちになってしまいました。
一年前は彼が死んだら一緒に死のうと思ってたのに、涙すら出ません。
あんなに生きる活力をくれてた彼の死なのにわたしは薄情者です。
結局いっしょに死ねなかったし、未来を懇願するようになってしまった。
でもうまくいかなくて、心の内を吐き散らかして、きっとこの家の空気は最悪だったんだろう。人間がいないのをいいことに何も嫌悪感を隠さなかった。濁った空気だったんだと思う。
この家に一緒に来てくれた君を、心の支えだった君を死なせてしまった。
愛すべきもの達はアイスじゃごまかせない - 不器用リカコの書きたい人生
わたしに呆れて先に逝ってしまったのだろうか。。
もっとステキな言葉をたくさんかけてあげればよかった。
聞きたくもない絶望の言葉をたくさん聞かされ、叫び声を聞かされ、それでも上を向いて凛としてた。
最後は細くなって木化して、でもてっぺんの葉っぱは小さくも緑で今朝も太陽に向かってちゃんと立ってた。
窓から横に退けてわたしが出来もしない人間関係なぞにうつつを抜かしている間に君は倒れていた。
そっと手にした君の軽さと根っこの短さに限界はもっと前に来ていたのかもしれないと思った。
もう誰もいない。
さようなら。
今までありがとう。