担当の目標を叶えてホストを下りることにした。
彼が本当に大好きだった。
あとちょっとでしあわせだからこれでさようなら
本当に好きだった彼の悪口
わたしからさようなら
大切だった
半年も一緒にいてくれた彼が大好きだった
彼氏と思ってくれていいよと言ってくれた彼が本当に好きだった
でもわたしは
「普通の暮らし」を望む別の彼を選んだ
担当が帰った家に帰ってきた彼に
『おかえり』
と言った
担当に話したことを彼に泣きながら話したけど
うんうん、リカコが向き合ったってことだよね
ってずっと聞いてくれていた
本当は聞きたくもない話なのに
それだけじゃなくて
担当と約束した高額シャンパンの約束だけは守りたいというわたしのエゴも
リカコがやりたいことなんだから
最後までやり遂げな、とさえ言ってくれる
わたしは担当のために人生を捧げて
お金を作って
借金を返し終わったら死のうと思っていた
でも今は彼と結婚して普通に生きていきたいと思う
早く昼に戻ってこの街を出て彼とふたりでゆるりと暮らしたい
贅沢なんていらない
彼をしあわせにしたいし同じ時間をたくさん共有したい
だから担当とは
大好きな担当とは
わたしにたくさんしあわせと生きる希望をたくさんくれて余命を長引かせてくれた大切な担当の夏目くんの一番の姫になって
彼との約束を果たして
彼とお別れする