追われるより追いたい
なーんて、もうすぐ26になる女が言っていい事ではない。
正確には26歳になる「わたしが」言っていい事ではない。
実物に会ったら絶対豹変するだろうけど
画面上のわたしに合わせようとする人たち
わたし「なんか」に好かれようとする人、と思うからわたしみたいな奴に合わせようとするってことはすでにわたしより下なんだって思うからなのか
わたしを見向きもしない彼はきらきらしている
死にそうな顔なのにわたしにはきらきらして見える
わたしを見向きもしなかった彼らが好きだっただけなのかもしれない
わたしが見えないってことはすごく価値がある人間のような気がする
シャワーに流れた言葉と綴ってる言葉が違う、やっぱり流して留めなければよかった
リカコもみさも可哀想な自分を一生捨てられないんじゃないか?
その鉄壁の鎧がなくなったら見たくない現実の砲弾をモロに喰らうから、
人生ってなんだろう、
仕事ってなんだろう、
生きるってなんだろう、
この申し訳なさはなんだろう、
一人で生きたい気持ちと結婚したい気持ちと孫を見せないと申し訳ない気持ちと
日に日に何も思わなくなるのに急に来る泣きたいのになんの感情かわからないこの気持ちはなんだろう、
自分の価値、そんなことを考えてしまったからか
無意識に3000円したシャワージェルではなく数百円の固形石鹸で体を擦っていた。